計画工学分野
都市,地域規模から国土,地球規模にいたる多様なスケールで,社会基盤システムの将来的な展望や具体的なプロジェクトプランを策定します.
私たちの快適な社会生活は,道路,橋,鉄道,港湾,空港などの交通・物流システム,上下水道やエネルギー・通信を担うライフライン,ニュータウン,公園,堤防や護岸といった都市・防災システムなど,いろいろな社会基盤システムによって支えられています.その整備にあたっては単に機能を追求するだけでなく,自然環境や都市環境との調和・景観あるいは各施設のデザインについても十分に配慮する必要があります.計画工学は,国土・地域・都市さらには住区の望ましい将来像を想定し,今後どのような社会基盤システムの整備が必要かを検討するとともに,個々の社会基盤システムを計画・設計(Plan)するソフトウェアを学び,研究する分野です.
人間は,自然風土の中で道路や橋を造ったり水路を拓いたりして,人工的な第二の風土,第二の自然を築いてきました.それが人間の文明の歩みであり,やがては超高層ビルの林立する都市を生み出す結果になりました.これらの道路や橋,水路などを造るには,その機能や形態については何度も研究検討を重ね,最良の施設内容,空間形態,デザインを選ぶ努力をしています.
計画とは,未来のことに関する現在の意志決定であるといわれています.計画工学は,将来の状況を予測しながら,社会基盤システムについて現在できる最良の判断をする学問分野です.
その範囲は,国土計画,交通計画,都市計画,地域計画,空間計画などにおよび,空港や鉄道網など大規模な交通施設から小さな住宅や店舗に至るまで包括することになります. |