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学科紹介

 安全で快適な都市と社会を創造するための技術を,交通・物流システムやライフラインといった公共的な社会基盤システムの立場から考えます.社会開発工学科では,よりよい社会基盤システムを創造することのできる,広い視野と高い技術力を持ったシビルエンジニアを育成します.                             

 社会開発工学は社会基盤システムに関わる工学であり,その工学体系は土木工学(シビルエンジニアリング)を母体としたハード,ソフト両面に渡る計画工学分野構築工学分野管理工学分野の複合体です.     

 第二部社会開発工学では,第一部都市工学科環境都市分野に対応しており、これら3つの分野(計画工学分野,構築工学分野,管理工学分野)にまたがる総合的な教育カリキュラムを準備しています.     

カリキュラム スタッフ

計画工学分野

 都市,地域規模から国土,地球規模にいたる多様なスケールで,社会基盤システムの将来的な展望や具体的なプロジェクトプランを策定します.



 私たちの快適な社会生活は,道路,橋,鉄道,港湾,空港などの交通・物流システム,上下水道やエネルギー・通信を担うライフライン,ニュータウン,公園,堤防や護岸といった都市・防災システムなど,いろいろな社会基盤システムによって支えられています.その整備にあたっては単に機能を追求するだけでなく,自然環境や都市環境との調和・景観あるいは各施設のデザインについても十分に配慮する必要があります.計画工学は,国土・地域・都市さらには住区の望ましい将来像を想定し,今後どのような社会基盤システムの整備が必要かを検討するとともに,個々の社会基盤システムを計画・設計(Plan)するソフトウェアを学び,研究する分野です.
 人間は,自然風土の中で道路や橋を造ったり水路を拓いたりして,人工的な第二の風土,第二の自然を築いてきました.それが人間の文明の歩みであり,やがては超高層ビルの林立する都市を生み出す結果になりました.これらの道路や橋,水路などを造るには,その機能や形態については何度も研究検討を重ね,最良の施設内容,空間形態,デザインを選ぶ努力をしています.
 計画とは,未来のことに関する現在の意志決定であるといわれています.計画工学は,将来の状況を予測しながら,社会基盤システムについて現在できる最良の判断をする学問分野です.
 その範囲は,国土計画,交通計画,都市計画,地域計画,空間計画などにおよび,空港や鉄道網など大規模な交通施設から小さな住宅や店舗に至るまで包括することになります.

構築工学分野

 社会基盤システムを構成する,橋やダム,空港といった公共施設を安全かつ経済的に形作っていきます.



 私たちの生活空間には,橋や道路,空港などさまざまな社会基盤システムがあります.それらは当然,地震,風などの外力に対して構造的に安全でなければなりませんし,実際に構築する上での素材,施工技術も新しい時代に対応して開発してゆかねばなりません.構築工学は,こうした観点から実際に各種社会基盤システムを形作っていく行為(Do)に関する技術を学び,研究する分野です.
 構築工学は,計画工学で計画されたものを具体的に実現するためのいろいろな技術を教育,研究する分野です.本州四国連絡橋や青函トンネル,中部国際空港などの夢のある各種のプロジェクトは,単なる机上のプランニングだけでは実現しません.構造物はバランス良く,美しく,力学的に安定していなければなりません.また兵庫県南部地震,伊勢湾台風に代表されるような大地震,大型台風等の自然の猛威に対しても安全でなければなりませんし,設計図書にしたがって安全,経済的かつ具体的に建設施工する必要があります.
 構築工学では構造物を構築する材料の性質を調べ,よりよい構築素材の開発に取り組んでいます.どんな構造システムがより美しく,安定でかつ効率的かを,有限要素法,境界要素法に代表される各種の解析手法を駆使して解析し,さらに確率論に基づいてその構造信頼性を調べています.また,地震動,強風等を受けたときの構造物の振動性状,海洋,河川の水災害に関する防災技術,あるいは地盤に関わる挙動等を大型コンピュータを使ってシミュレートすることにより社会基盤システムの安全性を確保しています.さらに,構造物が巨大化する中でその施工技術の開発と適用は重要な課題となってきており,構築工学の分野では実構造物レベルでの研究を通してその実用化を図っています.
 宇宙空間までも私たちの生活領域になりつつある今日,この分野での教育,研究はますます重要になってきています.

管理工学分野

 社会基盤システムを効率的に運用するだけでなく,自然災害や突発事故に対する防災・リスク管理,環境保全や都市再生などを行います.



 我が国の社会基盤システムも近代化が進み,整備が進んできており,すでにただ開発すればよい,建設すればよいという時代ではなくなりつつあります.これからは,あらゆる社会環境が,人間の真の幸福にどう作用しているのかを長期的に検討し,研究するべき時代であると思われます.
 管理工学は,すでに人間環境の一部となった社会環境の機能管理,安全管理,維持管理,破棄再生について検討し,社会基盤システムを長期にわたって管理(See)することを学び,研究する分野です.
 豊かで幸せな生活を営めるように私たちはさまざまな社会基盤システムを作ってきましたが,これらの施設を安全にまた効率的に運用するためのシステム(ソフトウェア)も非常に大切なものです.
 私たちの生活に欠かせない交通機関において,高速道路や新幹線などの鉄道では渋滞や事故が起こらないように,絶えず自動車や列車の動きを監視しコンピューターでその通行を制御しています.また,最近インテリジェント化が進んでいる社会基盤施設では,温度や湿度といった施設内部環境のコントロール,火災等に対する防災安全管理もコンピューターを使ったシステムにより行われています.さらにこれらの施設の本来の機能がいつでも発揮されるようそのメンテナンスやライフサイクルについて検討がなされ,その成果が計画工学や構築工学にフィ一ドバックされています.
 地震,台風,豪雨などによる自然災害の予知や防止のため地盤の動きや河川,海岸の水位,雨量の変化を正確迅速にキャッチし対処できるシステムを構築し,海域や大気の汚染状況を絶えず調べて私たちの地球環境を守る監視システムも作っています.さらには,祖先の遺産である歴史的構築物や街並みの保存状況をチェックし,私たちの子孫にこれらの貴重な文化遺産を継承することも重要な役目です.
 このように管理工学とは討画(Plan)に基づき構築(Do)された社会基盤システムが本釆の機能を十分発揮できるように監視(See)運用するための工学です.

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