名古屋工業大学 社会工学科

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令和3年度 土木学会中部支部研究発表会 優秀講演者賞を受賞

本学より4名が,令和3年度 土木学会中部支部研究発表会 優秀講演者賞を受賞しました.おめでとうございます!

・飯塚比呂人(II-26):年輪酸素同位体比にみる近世東濃地方における梅雨季の天候について

・村瀬颯生(III-13):スカートサクション基礎貫入時における基礎先端周りの地盤の局所変形

・白木輝(IV-40):路面塗装による交差点事故対策が右折車挙動に与える影響分析

・狩野新(IV-07):地震地域防災計画における二次災害・避難・道路対策の自治体間の比較

 

飯塚 比呂人「年輪酸素同位体比にみる近世東濃地方における梅雨季の天候について」 

2020年7月豪雨で倒木した岐阜県瑞浪市大湫町大湫神明神社の大スギから樹木年輪セルロース同位体比を測定し、江戸時代初期以降約400年間にわたる東濃地方における夏季の乾湿変動を推定しました。また東濃地方の古文書に記された過去の長雨や干魃の記録と比較することで、樹木年輪セルロース同位体比が大気の乾湿変動の客観的記録として利用できることが確かめられました。 

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狩野 新「地震地域防災計画における二次災害・避難・道路対策の自治体間の比較」

南海トラフ地震が懸念される愛知県において防災計画が実際に機能しているかを見る為に、まず県内自治体を災害特性等に応じたグループ化を行い、次に道路交通・避難・災害対策の観点から各グループの傾向に応じた対策が記載されているのかを見る為,対策内容を得点化しました。その結果、一部自治体ではグループの特性に応じた災害や避難道路対策の記載がなされていないなどの課題があることを明らかにしました。

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図 1 グループ化した結果

 

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図 2 防災計画の得点化分析のイメージ

 

白木 輝「路面塗装による交差点事故対策が右折車挙動に与える影響分析」

右折時事故対策の一つとして交差点内の右折車の走行軌跡を正すことが考えられ、右折進路を強調するカラー塗装や路面表示の施工が各所で実施されている。そこで本研究では、路面表示による右折時事故対策が実施された複数交差点に着目し、対策前後および交差点間の観測データの事前事後比較から右折車挙動に与える影響を検証した。その結果、交差点内の右折車を正しく導流する白色破線や赤色塗装に危険挙動の発生割合を低下させるなどの効果が見られた。

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村瀬 颯生「スカートサクション基礎貫入時における基礎先端周りの地盤の局所変形」

洋上風力施設の基礎として環境面、施工面でメリットの大きいスカートサクション基礎の導入が期待されています。SS 基礎貫入制御には、浸透流による支持力低減のメカニズム解明が課題となっています。そのため本研究は,貫入時の地盤変形に焦点を当て、実験及び解析を行いました。結果、基礎直下の広い領域の土粒子が浸透流により上向きに最短で基礎内部に移動しており、浸透流を受ける地盤の変形が明らかとなりました。

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今後の抱負

飯塚 比呂人さん

昨年度に引き続き、樹木年輪セルロース同位体比の研究が優秀公演者賞を受賞することができ、土木学会においても歴史時代の気候環境や水災害への関心が高まっていると感じます。今後は東濃地域以外の測定結果と今回の結果を比較し、東濃地方の乾湿変動の特徴を明らかにしたいと考えております。また将来的には数十年サイクルの乾湿変動を推定し、治水・防災計画の策定などに貢献したいと感じています。

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狩野 新さん

この度はこのような賞を頂き大変光栄に思います。日々研究を始めとした様々なご指導を頂いている鈴木先生をはじめ。研究室のメンバーに深く感謝致します。今後、大学院においても交通を防災の観点からより一層研究に取り組んでいこうと思います。

白木 輝さん

この度、優秀講演者賞をいただき、大変光栄に思います。今回の研究発表会で頂いたご意見を踏まえ、大学院でも研究に励みたいと思います。

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村瀬 颯生さん

今回このような素晴らしい賞を受賞でき、光栄に思います。今回の受賞は、お忙しい中でも熱心にご指導くださる前田先生、また研究室のメンバー。共同研究先の企業の皆様のサポートによるものです。この場をお借りして心より感謝申し上げます。今後は、より一層努力し、日本および世界の洋上風力発電の発展に貢献していきたいと思います。

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