分野紹介
1.社会基盤施設と環境都市形成への誘い
社会基盤施設とは,あなたが自宅や学校を外へ一歩,踏み出したときから,あなたの足下や空間で様々な関わりを持ってきます.目の前に広がる歩道や車道,交差点は,老若男女,歩行者,ドライバーの誰もが使いやすいように,安全であるように,動線の区分を工夫したり.信号機設置や立体交差も考慮してつくられます.また,都心であれば賑わいを創出できるように,デザイン性も考慮して,自動車やトラックが数トン級の重い荷物を積んで走っても,そう簡単には壊れないように,強度をきっちり計算し設計して,雨が降ればできれば地中に浸透するように.環境にもいろいろと配慮して,リサイクル材料を使ったりと.まだまだ語り尽くせない技術と工夫の産物です. そのような社会基盤施設は公共空間として静かに形成されていますが,それらは歩道空間,道路空間にとどまらず,高速道路構造物,鉄道線路,駅ターミナルなどの市民の移動や交流をはぐくむ施設や,公園などの憩い空間と避難所機能を併せ持つもの.河川・堤防や海岸・防波堤の治水・利水・親水を演じる施設,空港港湾など海外へと飛び立つ玄関口など,その役割はどれも重要ですし,面積を足し合わせると.あなたの地域全体で,実は膨大な空間を占めていることが分かります. そればかりではありません.あなたの足下の地面の下には,上下水道,地下鉄などのライフラインが静かに広く張り巡らされ,毎日の役割を果たしています.これらの社会基盤施設は,時折やってくる台風や地震にも耐えて.50年,100年のスパンで.都市を,社会を,人々を,支え続けることが求められているのです. しかし,残念ながら現代技術の粋をもってしても,壊れないものは造れません.せっかく造った社会基盤施設ができるだけ長く,人々の役にできるだけたくさん立つように,造る前から,様々な角度でいろいろと考えて,計画,設計,建設をしていきます.造った後も,破損することがあれば直し,大きな破壊に繋がらないように日頃から維持管理も行います.なにせ膨大な施設が長い年月をかけて整備されてきていますから,これからは改修・補修・維持管理も大きな課題となっています. 地球環境や自然環境,生活環境にも配慮しないといけないし,かといって経済的にも限度がある.これらを正しく方向づけて,未来と今,やるべきことを整理して,小さな工夫も知恵を出しあい,新しい技術を発案し,効果を期待できれば積極的に取り入れて.私たちの街を,社会を,豊かな環境都市にできるよう取り組んでいく.その職域はまさにクリエイティブなものといえるでしょう. さて,この機会に環境都市分野の内容について,もっと多くのことを知ってくだされば幸いです. |
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