名古屋工業大学 社会工学科

研究紹介

研究紹介 <構造耐震 ― 構造工学系講座>

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耐震工学/構造工学研究室(後藤・小畑・海老澤・奥村研) 構造系振動研究室(岩本研)

構造研究室(永田研)

2)研究テーマやトピックス

耐震工学/構造工学研究室(後藤・小畑・海老澤・奥村研)
橋とその他の構造物の耐震・免震・制震
橋の長寿命化と維持管理

◇橋や構造物の耐震設計に関する研究

橋や構造物の地震時挙動を予測し,極大地震に耐える適切な設計手法を研究しています.
(a)世界に類を見ない高精度3次元載荷装置を用いた擬似動的実験
(b)中国同済大学との共同研究による小型振動台実験
(c)コンピュータを用いた高精度の解析技術の開発
(d)実験・解析結果に基づく耐震性評価指標の確立
など,実験と数値解析の両側面から研究を行っています.

◇新たな免震・制震構造の開発

免震・制震構造とは,地震力を構造物本体に伝えないようにしたり(免震),特定の部材に地震エネルギーを吸収させて(制震)構造物本体を守る構造です. 本研究室では,新たな免震・制震構造や自己復元機能をもつメンテナンスフリーの履歴型ダンパーを開発し,さまざまな橋梁への適用性について検討しています.

ダンパーの適用により,構造を無損傷に!
◇老朽化橋梁の崩壊とその予測解析

昨夏,アメリカのミネソタ州にて老朽化した高速道路橋が突然崩壊しました. また,日本においても木曽川大橋にて斜材の破断が発生しています.橋梁がどのような過程を経て崩壊にまで至るのかを数値解析により予測する研究を行っています.



トラス橋斜材の破断(木曽川大橋)
◇橋梁の腐食に関するシミュレーション

橋梁における腐食の発生は,橋梁がどのような環境(風雨や塩分量)におかれているかによってその状況が変化します. 数値流体解析により橋梁まわりの空気の流れを計算し,雨粒や飛来塩分が橋梁に付着する現象を予測します.

◇Computer Graphics (CG)を利用した構造解析結果の可視化に関する研究

計算機の発達により,高度で複雑な数値解析が計算機能力上は可能となってきていますが,計算結果は大量の数字により表されます. これを適切に判断することは技術者でも大変であり,まして一般市民に説明することは困難です. そこでCGを用いて解析結果を表現すること(可視化)により地震時の“ゆれ”を視覚的に表示するシステムの開発を行っています.


構造系振動研究室(岩本研)
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構造研究室(永田研-)

研究方針

社会基盤を支える橋をはじめとした社会基盤構造物の基礎・応用技術に関する研究・開発を行い,安全で快適な社会の構築をめざし,研究を行います.

研究内容

腐食損傷した構造物の健全度を評価するための研究
適切に構造物の維持管理を行う上には,構造物が保有している健全度を正確に評価する必要があります.本研究室では腐食により断面損傷が生じた鋼構造物の弾塑性力学性状に関する研究を行っています.
図1は海洋環境において腐食した鋼管杭を表しています.このような腐食損傷した構造物を対象として図2に示すような載荷実験と解析により,保有している耐荷性能に関する健全度などを評価しています.

        
図1 腐食した鋼管杭       図2 鋼管杭の載荷実験(左)と解析(右)

構造物を効果・効率的に老朽化から守るための研究
高度経済成長時代から40年近くが経過し,構造物の老朽化が大きな問題になり始めています.効果的・効率的に構造物を老朽化から守るためには,構造物がおかれている環境を正確に把握する必要があります.本研究室では結露に着目した腐食環境と防食・補修対策に関する研究を行っています.
図3は下フランジにおける結露の様子とコバ部の腐食を表しています.結露によって生じる水によって腐食が促進されていると考えられ,図4に示すような解析を行い,そのメカニズムと対策などについて検討しています.

   
図3 下フランジにおける結露のとコバ部の腐食   図4 箱桁の結露に関する解析

地震に強い構造物をつくるための研究
安全で安心な社会を造るために地震に強い構造物を造るための研究を行っています.本研究室では多方向地震動を受けた際の構造物の挙動と構造物を構成する構造要素間の相互作用に関する研究を行っています.
1995年に発生した兵庫県南部地震では図5の桁の落橋のように,構造物に甚大な被害が生じました.水平2方向を対象としたハイブリッド地震応答実験や解析により,図6に示すような複雑な地震時挙動の解明などを行っています.

   
図5 兵庫県南部地震における桁の崩落     図6 水平2方向の荷重の軌跡

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